静寂を纏い、風景を生ける。— 小林政美 作 笠間焼 一輪花生け
✨ 作品の仕様
・📏 サイズ:最大径12cm × 高さ18.5cm(※手作りのため個体差あり)
・⚖️ 重量:527g
・🫗 材質:陶器(笠間焼)
・🤲 手ざわり:ザラッとしたマット肌
・🗾 生産地:茨城県笠間市
・👩🎨 作り手:小林政美
🌈 見え方についてのご案内
※ご覧のモニター環境や照明条件により、実物と色味が異なって見える場合がございます。釉薬の表情は光の加減や角度によって印象が変わることがございます。実際の色味が気になる方は、お気軽にお問い合わせください。追加画像のご提供も可能です。
📝 笠間焼 一輪挿し|雷樹
《雷樹》——深緑の器肌に、雷のような白い軌跡が走る。
その名の通り、静寂の中に力を宿す一輪挿しです。
陶芸家・小林政美が手がける笠間焼の《雷樹》は、伝統的な陶技に、現代的かつ前衛的な美意識を重ねた、静と動の融合を体現する作品。
丸みを帯びた柔らかなフォルムは、自然のやさしさを感じさせながらも、表面に刻まれた力強い模様が、内に秘めたエネルギーを語ります。
深緑から黒へのグラデーションは、森の奥深くに差し込む光のように、静謐でありながら神秘的。
白い筋は、雷の軌跡であり、また大地に根を張る樹の枝のようでもあり、自然の鼓動と造形の繊細さが共鳴しています。
空間に確かな重みと詩情をもたらす《雷樹》を窓辺や書斎の一角に置いて、季節の草花を一輪。
空間に静かな風景が立ち上がり、日常が少しだけ特別になる——そんな瞬間を演出します。
《雷樹》は、飾る器ではなく、生ける風景。
それは、風景をつくる行為であり、心を整える穏やかな対話でもあります。
日々の暮らしに、自然の気配と物語を添えてくれる、静かで力強い存在です。
🎤「明るく楽しくマニアック」
— 作り手さんの素顔、ちょっとだけ|陶芸家・小林政美さん(笠間焼)
小林政美さんに初めてお会いしたのは、2025年のゴールデンウィーク。
笠間焼の陶芸家たちが一堂に会する「笠間陶炎祭」の会場でした。
テントがひしめくなか、ふと目に留まった作品に「これは…!」と筆者(店主)は心が動きました。
伝統的で落ち着きがありながら、どこか現代的で前衛的。
その融合の美しさに惹かれ、思わず声をかけさせていただいたのが小林さんでした。
陶歴書を拝見すると、二十代の頃から国内外の陶芸展・公募展・ビエンナーレに数多く出品・受賞されており、現在七十代にしてなお、半世紀以上にわたる輝かしいキャリアを歩まれている方。
…なのですが、実際にお話しすると、飄々とした語り口でとても穏やか。さらに伺うと、なんとこの「笠間陶炎祭」の立ち上げから参加されていたとのこと。
「最初はほんの数人だったんですよ。それがこんなに盛大になって…」と、感慨深げに語られる姿が印象的でした。
そして今回、改めてお話を伺う中で、小林さんの“作り手としての呼吸”に触れることができました。
「焼き物を作っていると、呼吸が止まるように息苦しいんです。楽に呼吸しながら作れるようになるまで、日々精進です。いくつになったらできるかな?(笑)」
その言葉には、陶芸という行為の緊張感と、終わりなき探求心がにじんでいます。
作品にはメッセージを込める——でもそれは、見る人の心にそっと届くような、やわらかなニュアンスで。
風、波、宇宙、芽吹きなど、自然の営みをモチーフにした造形には、生命の循環や再生へのまなざしが宿っています。
東日本大震災では窯が崩れ、作品も多くが壊れてしまったそうです。
「陶器は割れるもの。打ち上げ花火のように、割れたらそれまで——そんな儚さを意識するようになりました」
それ以来、器の命をより大切に思うようになったと語ります。
でも、儚さの先には再生がある。
「生命はなくなり、儚くはあっても、必ず芽吹いて生まれ変わる。」
そんな思いが、小林さんの作品の奥に静かに息づいています。
緊張とやさしさ、儚さと力強さ。
小林政美さんの器には、作り手の呼吸とともに、自然のリズムが刻まれているのかもしれません。
🧑🎨 陶芸家プロフィール|小林 政美(Masami Kobayashi)
1952年、北海道旭川市生まれ。
1972年より笠間焼の陶芸家・中野晃嗣氏に師事し、陶芸の道を歩み始める。伝統技法を継承しながら、風・波・宇宙・芽吹きなど自然のモチーフを軸に、前衛的な造形表現を追求。
1991年サントリー美術館大賞展出品、1994年毎日大賞受賞、2001年バルセロナ・バトリョ邸芸術展大賞受賞など、国内外で高く評価される。代表作に「風穴シリーズ」「陶板作品」「金彩を施した鉢・茶碗」などがある。
現在も笠間を拠点に、生命の儚さと再生へのまなざしを込めた作品を制作し続けている。
🏺 笠間焼とは
笠間焼(かさまやき)は、茨城県笠間市を中心に作られる陶磁器で、江戸時代中期に信楽の陶工・久野半右衛門が開窯したことに始まる、日本でも有数の歴史ある窯業地です。
最大の特徴は「型にとらわれない自由な表現」。
素朴で温かみのある日常使いの器から、前衛的でアート性の高い作品まで、作家の個性が色濃く反映される焼き物として知られています。
陶器と磁器の両方が作られ、釉薬の使い方や造形も多彩。近年では若手作家の移住も進み、伝統と現代が融合した新しい笠間焼が次々と生まれています。
実用性と芸術性を兼ね備えた器として、暮らしに寄り添いながらも、使う人の感性を刺激する焼き物です。
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